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Tell. ページ25
昔と変わらない、辰哉の甘くて優しい香りに包み込まれる。
こんなにも目が見えないことを恨んだのは初めてだった。
『...辰哉、今、髪の毛何色？』
「茶色だよ」
『どんな服着てる？』
「今は、黒いTシャツに、ジーンズに、黒いバケットハット」
『昔と、顔変わった？』
「いや、めっちゃイケメンになったよ。あ、もちろん昔からイケメンだけど」
『ふふ、そっか』
男性にしては少し高めの声。
聞いただけで「あ、この人いい人だ」って分かるような、温かくて柔らかいこの声が昔から大好きで。
「...可愛いね」
『え？』
「笑顔。前と変わんない」
『...可愛い？』
「うん、可愛いよ」
自分の顔なんてもう分からない。でも、辰哉が可愛いって言ってくれるなら、私可愛いんだって自惚れてもいいよね。
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作者名：きら
| 作成日時：2024年1月23日 11時
