「会いたい。（深澤辰哉）」 (ページ14)

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Finally. ページ14

〜渡辺Side〜

『...そっか、もうほぼ確信持ってる感じだね』

渡辺「うん...ごめん、隠し通す約束だったのに」

『いいよ、辰哉鋭いからしょうがない』

言葉ではそう言ってるけど、電話越しに聞こえる声は心なしか少し暗い。

『でも香水で分かるってすごいなぁ...』

渡辺「匂いって忘れないっていうしな」

『辰哉、思ってるより私のこと好きで居てくれてるみたいだね』

渡辺「...うん。好きすぎるくらい。...戻るって選択肢は、無いの？」

『今更合わせる顔ないよ。失望するだろうし』

渡辺「失望なんて...」

『いい。私が会いたくないの』

渡辺「...分かった。連絡取ってるし会ってるのもバレたけど、居場所だけはバレないようにするから。絶対会わせないようにする」

『うん、助かる、ありがとう。...ごめんね、こんなに長い間付き合わせちゃって』

渡辺「いいよ、俺がやりたくてやってるんだから」

『優しいよね、翔太くん。...あ、ごめん、もう切らないと』

渡辺「分かった」

『お仕事頑張ってね』

渡辺「ありがとう、堀内もね」

『ありがとう。ばいばい』

通話終了ボタンを押して、ため息をつく。

俺が堀内の居場所を知っていると知られたからには、ふっかはめちゃくちゃ俺に尋問してくると思う。

でも、約束したからには、何があっても隠さないといけない。