「会いたい。（深澤辰哉）」 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:75 hit、合計:145,770 hit

Past. ページ2

後ろから肩を叩かれて振り向くと、Aが声をかけてきた。

『ねえねえ、今日の英語単語テストだっけ？』

「え、そうなの？俺知らないけど」

『そっか辰哉が知ってるわけないか』

「おいどういうことだよ(笑)」

俺とAが出会ったのは小学生のとき。

俺の苗字が“深澤”でAの苗字が“堀内”だから、席が前後だった。

小学校6年間同じクラスで名簿順もずっと前後なら、仲良くなるのが自然で。

中学1年生になった今も、こうして同じクラスになり名簿順も前後になった。

「てか俺今日早退するから英語受けないし」

『え、また早退？なんか最近ちょいちょい早退するよね、なんで？』

「家庭の事情〜」

俺は去年事務所に入ったけど、まだ誰にも言ってない。

まだ全然仕事もないし、変に騒がれるのも嫌だから。

『ふ〜ん、じゃあ聞かない』

「テストあるか知らないけど頑張れよ〜」

『うわ〜腹立つ！』

俺もAも明るい性格だから、すごく波長が合って居心地がいい。

授業中とかホームルーム中に後ろからちょっかい出すのはやめてほしいけど。