「深澤辰哉は言わせたい。（深澤辰哉）」 (ページ10)

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『......辰哉？』

「んー、？」

『なんか元気無い？』

「え？んなことないよ？」

『...そっか』

日曜日、1日中2人で家にいられることになったのはいいんだけど。

明らかに、辰哉がいつもと違う。

なんか、ちょっとだけ上の空っていうか、ボーッとしてるというか。

辰哉は、私の異変に絶対に気づいて吐き出させてくれるのに。自分はいくら辛くても絶対に相談してくれないんだ。

『...辰哉』

「ん、なに？」

ソファに座ってボーッとしてる辰哉の上に自分から向き合うようにして座る。

目を合わせようとしない辰哉の頬を両手で包んで、無理矢理目を合わせた。

「...どしたの急に」

『辰哉、言ってくれないのやだ』

「...」

『言いたいことあるんでしょ？』

「...んー、」

『言ってよ、お願い』

辰哉がこれに弱いの分かってるけど、ごめんね。

できるだけ目をうるうるとさせて、じーっと辰哉のことを見つめる。

「......はぁ、」

よし、勝った。

「...悩みとかじゃないんだけど、今週営業でいろんなとこ行ってさ、ちょっと疲れちゃって。......だから、その、」

さっき私がしたように目をキュルキュルにして、今だけ私より目線の低い辰哉が上目遣いで見上げてくる。

「甘えていい、？」

『え.........』

発されたのは、まっっったく想像していなかった言葉だった。

辰哉、甘えるとか絶対しないって言ってたのに。

「...ダメ、かな」

『...いいよ』

ダメなんて、言うわけないじゃんね。