「深澤辰哉は言わせたい。（深澤辰哉）」 (ページ29)

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【パパー高い高いして！】

［違う！パパ抱っこ！！］

「パパは1人だから一気には無理だよ.....っしゃ、すずな先にやろうか」

［やったー！］

【なんで！僕の方が先に言ったのに！】

「りく、いい？男の子は女の子のことを大事にするのがお仕事なんだよ。パパもママのこと大事にしてるでしょ？」

【うん、】

「それとおんなじ。りくは今、すずなのことを大事にしないといけないの」

【わかった！】

「よーしえらいえらい、流石俺の子！よし、すずなおいで！」

私が夜ご飯を作っている間、辰哉が2人の面倒を見ていてくれるからすごく助かる。

お兄ちゃんのりくは5歳、すずなは3歳。

お互いだいぶ育児に慣れてきて、心の余裕も生まれた。

りくが生まれたばっかりの時は意見が合わなかったりで喧嘩もしたな、なんて思い出す。

「ほら、次りくだよ！おいで！」

すごく楽しそうな辰哉と子供達をキッチンから眺めるのが、最近の幸せ。

何度も抱っこと高い高いをせがまれてクタクタになっている辰哉。まだまだ元気な2人。

流石に辰哉が可哀想だと思って、キッチンから顔を出す。

『みんなー、ご飯できたよ！』

「よっしゃ、おいしいおいしいママのご飯だぞ！パパがいちばーん」

【ずるいりくが最初！】

［すずなー！］

2人に手を掴まれて進行を妨げられた辰哉を見て、また笑みが溢れた。