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〜深澤Side〜
渡辺「あー、死ぬかと思った」
「な、久々にあんな走ったわ」
今日はせっかくAがモーニングコールしてくれたのに起きられなくて、翔太とめちゃくちゃ急いだ。
間に合った安心感で忘れていたけど、こうしてホテルについて横になると一気に疲れが襲ってくる。
「翔太、先風呂入りな」
渡辺「いいの?」
「昨日俺が先だったから」
渡辺「あー確かに。じゃあお先」
「んー」
風呂場に向かう翔太の背中を見送ってから、スマホに視線を落とす。
そして1人だけピン留めしている連絡先をタップして、ビデオ通話をかける。
「......出ない」
遅くなってんのかな。
Aがそんな子じゃないのは百も承知だけど、男といるんじゃないかって勝手に思ってしまう自分がいる。
「マジで嫉妬しない」なんて、ただの強がりなんだよなぁ...
渡辺「あがったよー」
Aの笑顔を思い浮かべているうちにかなり時間が経っていたらしい。
「ん、行ってくるわ」
渡辺「行ってらー」
ちゃちゃっとシャワーを浴びて部屋に戻る。
渡辺「そういえば今日電話は?」
「なんかさっきかけたんだけど出なかった」
渡辺「照といるんじゃね?」
「なんでそんなこと言うんだよ」
渡辺「いや、あり得るなーって」
「あり得ない!」
渡辺「はいはい」
...ほんとに照といたらどうしよう。
照には何年も溺愛し続けている彼女がいることなんて分かりきっているのに、こんなに不安になってしまう。
本当の俺は、こんなにも嫉妬深い。
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さーちゃん(プロフ) - ふっかさんの嫉妬大好きです🥹 (6月15日 12時) (レス) id: 645033c6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きら | 作成日時:2023年6月14日 10時