「深澤辰哉は言わせたい。（深澤辰哉）」 (ページ13)

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『辰哉、今日ちょっと用事あるから先帰ってていいよ』

「んー、了解。遅くても22:00には帰ってくるんだよ？」

『はーい』

その用事はというと、美容院。

昨日の夜のお風呂上がり、私がお風呂に入っている途中に始まったであろう岩本くんと辰哉の電話をたまたま聞いてしまった。

辰哉がスピーカーにしていたから、岩本くんの声も丸聞こえだったというわけだ。

“あーそうだ、彼女が昨日急にボブにしたんだけど、それがめっちゃ可愛くてさ”

「え、ずっとロングだったじゃん！」

“そうそう、1回も短くしたことなかったんだけど、なんか急にやってみたくなったんだって”

「えーいいなぁボブ」

“ふっかボブ好きだもんな”

「うん、だってめっちゃよくない？あの首元とかうなじ全部見える感じ」

”視点が変態なんだよ(笑)“

「しょうがねぇじゃん好きなんだもん」

”Aちゃんにお願いすれば？Aちゃんもずっとロングでしょ“

「んーまあぜっったいかぁいいし見てみたいけどさ、Aはロングがいいらしいし。それにロングだろうとなんだろうとAならなんでも好きだから」

”ふっかってさ、マジでAちゃんのこと好きだよな“

「ん、大好きよ、当たり前」

こんなの聞いちゃったら、ボブにしないわけにはいかないよね。