「深澤辰哉は言わせたい。（深澤辰哉）」 (ページ12)

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「っしゃ取りまくるぞー」

日曜日、2人でやってきたのは、ゲームセンター。

ゲームセンターには月2くらいで来てる。辰哉と2人でいろんなところに行って、お気に入りのお店を探すのが楽しいんだ。

「Aどれ欲しい？」

『んー...あ、あれがいい』

「...なにこれ。なんの動物かすら分かんねぇんだけど」

『チベットスナギツネだよ。ネコ目イヌ科キツネ属』

「ネコなのかイヌなのかキツネなのかなんなんだよ(笑)まあいいか、取ってあげる」

チャリンと綺麗な指が100円を落とす。

さっきまで楽しそうに細められていた目は、急に真剣な目に変わった。

「Aさ、なんでこのチベット...なんだっけ」

『チベットスナギツネ』

「あーそれ。なんでそんな詳しいの？」

『辰哉に似てるじゃん』

「...え、嘘でしょ」

『ほんとだよ』

「俺こんな目細くねぇわ！」

『え？』

そんなこと言って笑い合っている間に、ゴトンと落ちた深澤もどき。

『ありがとう！ふふ、可愛い...』

モフモフのそれをぎゅうっと抱きしめる。

「ふは、かあいいな」

『でしょ？』

「ばーか、お前のことだよ」

『え......』

「ほら、次何にする？」

ほんとに、ずるい。