お前なんか嫌いだよ。 (ページ6)

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「上、乗ってもいいですか？」

「…。勝手にすれば」

いいという意味だと受け取りカイさんの腰に跨りマッサージを始めた。自分が今までしてもらってきたように。してきたように。

カイさんの今の気持ちを考えると自分のことと重なり自然と涙が出てきてしまった。

声を必死に押し殺していたつもりなのにあっさりカイさんにはばれてしまった。

「なぁ。なに泣いてんの？」

「泣いてなんか、いません」

「そーゆうのいらないから。なんで？」

どうやらこの人には嘘とか強がりとかは通用しないみたいだ。

「気持ち。分かるって言ったのはほんとに嘘じゃないです。あと、のこのこきてほんとにすみませんでした。でもやるからには倒れても何してもやり通すので、お願いですから、無茶はしないでください」

思ってることを伝えた。それだけなのにさらに涙が溢れてくる。自分でもなんでないているのかよくわからなかった。

でも、手だけは休めず必死に治るようにと良くなるようにと揉みつづけた。

「これからさ、毎晩マッサージしてくれるなら無茶しないであげてもいいよ」

思ってもみない言葉にすぐに返事をした

「はい。もちろんです。毎晩します。いつでもします」

「だけど俺は認めないからな。今日はもういい。寝る」

私をベッドから除けると布団を被ってしまった。おやすみなさいと言い私も用意してくれていたベッドに横になる。

思ってたよりカイさんは怖い人でもないし嫌な人でもないと思った。

ただただ踊ることが誰より好きで自分に一番厳しいだけなんだと思った。

明日からメンバー全員に認めてもらえるように頑張らなければならない。頭の中の不安と、カイさんの腰のことを考えていたらいつの間にか夢のなかだった。