i Luv U. (ページ7)

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『よし！今日は終わりにしよ！
いきなりやったのに
付き合ってくれてありがとう。』

「こちらこそ！
道枝くんのおかげで
ちょっとは理解できた。」

一時間近く勉強をして
お開きとなった。
お腹も空いたし早く帰るか。

『駅まで一緒に帰らん？』

「いいよ？」

小さい声で「よっしゃ」と
聞こえたけど何のことかはさっぱり。

カバンに教科書や筆箱を詰め
二人で図書室を出た。
外はすっかり暗くなっている。

「そういや何でわざわざ
私に勉強教えてくれたん？」

『分からへんの？』

「へ？」

道枝くんは少し考えてから
口を開いた。

『何とも思ってない子に
勉強なんか教えへんよ。
ちょっとでも長く喋りたくて。』

俯いているせいで
顔に髪がかかっているけれど
薄らと頬を赤らめているのが分かった。

恋愛には疎いタイプだけど
そんな私でも理解できる。

「まさか道枝くんが
そんな風に思ってくれてたなんて
考えたことなかったから。
何か…私まで恥ずかしいや。」

隣を歩く互いの指が触れそうな距離。
さっきまで何ともなかったのに
急に意識をしてしまう。

『いきなりでびっくりするよな。
ごめん…でも俺はずっと前から
Aちゃんのこと気になってた。
もちろん今すぐに、とは言わんけど
考えてほしいな。俺のこと。』

こちらを向いて
照れ臭そうにはにかんだ。

「ありがとう。
これからたくさん道枝くんのこと
知りたいし私のことも知ってほしい。
すぐに返事は出せへんけど前向きやで。」

何故かとても時間が長く感じた。

『じゃあまた明日。』

手を振り合って
反対方向のホームへ降りる。

「 …夢みたい。」

ふと電車の窓を見ると
口元が緩んだ私が反射していた。
苦手な勉強も頑張れる気がする。

明日も図書室で待ち合わせをした。
早く会いたいな、なんて思っているから
私もすっかり彼のこと気になってるんだ。

二人が付き合う日まで
そう遠くはなさそうです。

《 END 》