i Luv U. (ページ6)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:24,984 hit

▽　Shunsuke.M ページ6

─

放課後の図書室。
テスト前は決まって
ここに来て勉強している。

昔から勉強が得意じゃない私は
授業に追いつくのもやっとで。
冬になり受験が近付くにつれ
焦りと不安で心がいっぱいだ。

『隣ええ？』

顔を上げると
同じクラスの道枝くんがいた。

「あ、どうぞ。
…でもこんなに席空いてるのに
わざわざ隣じゃなくても。」

『やー、なんかさ。
勉強教えてあげよかなって。』

「上から目線…
余計なお世話ですー！」

慌てたように嘘嘘、と言いながら
隣の椅子に座った。

どうやら私が数学の授業で
回答できなかったのを見て
気にかけてくれていたらしい。

顔も整っていて社交的で
みんなの人気者の道枝くんが
平凡な私なんかに優しくしてくれて
いじめられないか少し心配になった。

『もうすぐテストやし
ちょっとでもできるようになれば
受験にも役立つかなって思って。
俺も一緒に復習とかしたいし！』

「ありがとう！助かる。」

ストレートにお礼を言えば
何故か目を逸らされた。
まあ何でもいいんやけど。

『どこが特に分からへん？』

「えっと、この問題の… 」

二人で一つの教科書を覗き込む。
こんなに近くで見ても
綺麗な肌に綺麗な瞳。
思わず吸い込まれそうになる。

『 …で…ちゃんと聞いてる？』

「ああ、ごめん！
それでここの式は… 」

.