i Luv U. (ページ13)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:24,981 hit

・ページ13

─

「ふう… 」

深呼吸をしてから
病室のドアを開いた。

『 A！久しぶり！』

窓の外を眺めていた恭平は
勢いよくこちらを振り向くと
前と変わらない笑顔を見せてくれた。

「きょ、へ… 」

『ちょ、どうしたん？
早くこっちおいで。』

我慢していた涙が溢れた。

手招きされてベットの側に寄ると
優しく抱きしめてくれた。
罪悪感でいっぱいだ。

「私のせいでごめん… 」

『何言ってんの？
Aのせいなんか思った事
一回もあらへんのに。』

大きな手が私の頭を撫でる。

『顔上げて。』

ゆっくりと顔を上げると
優しく微笑んでくれた。

『俺は元気やし
Aも怪我一つしてへん。
それにこうやって
一緒におれてるんやで？
悲しむ事なんかないよ。』

「でも…っ、」

そう言いかけると
柔らかい感触に口を塞がれた。

『大好き。』

「ん、私も大好き。」

見つめ合ってどちらからともなく
再び口付けを交わした。
恭平は何だか色っぽくて
久しぶりの感覚に胸がドキドキした。

『可愛いなあ。
A、顔赤い。』

「うるさい…！」

『そんな事言うなら
また口塞ぐで？』

含み笑いを浮かべながら
私の唇を指でなぞった。

ずっと罪悪感で押し潰されそうで
不安で落ち込んでいた気持ちが
恭平のおかげで楽になった気がする。

『俺はAとおれたら
それだけで幸せやからさ。』

大好きな胸元に飛び込むと
フッと肩の力が抜けた。

「私も今、めっちゃ幸せ。」

《 END 》