Regrets of Love 5

42-4　Atsuto side ページ27

正直スランプだった。

サッカーの技術的には問題ないし、むしろ向上だってしてるはずだ。


だけど、なんてゆうか…。

サッカーが面白くなくて、それがついつい態度に出てつまらないケガをする。

それにプラスして意味不明の吐き気と胃炎と…

悪循環に陥ってた。



ドライブに行きたいと思う時は決まってこんな精神状態の時だった。

Aに甘えられるだけ甘えて、ドライブでスカっとさせる。

たとえそれがその場だけでもいい。

今はしがらみから解放されたい。



「ドライブ行かね？」

そう言うとAはすべて悟ってるかのように

「いいね！！！行こう行こう！どこ行こう？」

とノッてくれた。

「右の方」

と言っても

「いいね！右の方行こう！センスあるね」

一事が万事この調子なので助かる。笑



「私が運転したい」

「断る」

「大丈夫、安全運転するから！」

「絶対ダメ」

ここから右方面へ行って、首都高でもあろうもんならとんでもないことになる。
俺はまだ死にたくない。

「ケチ」

渋々といった感じで助手席に座ると、さっそく俺チョイスの音楽を換えた。

「今日はこれ」

「何」

「『Free tempo』」

「どんなテンポ？」

「や、人の名前だから」

なんなんだよ。
R&Bは人の名前じゃなかったり、何とかテンポは速さじゃなかったり。


こないだはボブマーリーとか言う人を聴かされた。


てっきりジュディマリ的なのかと思って聴いたらがっつりオッサンでビビった。

42-5　Atsuto side→←42-3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す