Regrets of Love 5

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「あ、じゃもう近いし私運転するから。ありがとね」

「いいよ、つか昨日寝なかったの？」

「“寝なかった”んじゃなくて“寝れなかった”の！」

「俺に会うから？」

おっと…だいぶ直球勝負で来たな。
そんなこと聞いてどうすんのよ。

だから私はそれを笑ってかわす。

「私は誰かさんと違ってデリケートでねー。電話しても起きないなんてことないくらいね」

「あっそ」

「そ」



結局、運転は代わってくれなかった。

「寝てていいよ」

だって。
もうすぐ着くっつーの。




車内では篤人のiPhoneから

『Regrets of Love』

がエンドレスで流れてた。



「こうゆうの聴くようになったんだ」


あ、やば。
つい過去絡みのことを言ってしまった。


「誰かさんの影響で」

「ふーん」



篤人の音楽の趣味は酷かった。

って言うとその歌手やファンに失礼か。

や、でもセンスのカケラもないのばっかり聴いてたから、当時車中の選曲権は私にあった。


「他に誰とか聴いてんの？」

「May.Jとか」

へ、へぇ…。笑




「あ、そこだ」

スタジオの前にロケバスが2台停まってる。

「じゃ私パーキングに入れて来るから先行ってて」

「ん」

「インタビューの件よろしくね」

「あーうん」

「あ、運転ありがとう。助かりました」

「いいえー」

ヒラヒラと手を振るとスタジオに入って行った。




車の中での私たちを思い出した。

私、だいぶ寝ぼけてたのかも。

すごい心地よかったなぁ。

5年のブランクがあるようには感じなかった。

でもそれは私だけだよね。

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