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織姫と彦星より(茅ヶ崎至夢、七夕のお話) ページ5

至「……何してんの?」
『見て下さい、これ!』

仕事終わりに寮に帰ってきた俺は、談話室で揃って何かを作っている監督さん、太一、幸、咲也に声をかけた。
…いや、わかんないから聞いたんだけど…
どや顔で作っていたものを突き出してきた監督さんに、俺は困り顔のまま答えた。

至「…困り顔の人形作り?」
『酷い!違いますよ!てるてる坊主です!』
幸「インチキエリート、流石に酷すぎ。まぁ監督のやつは顔が変だけどさ。」
『えっ?!可愛くない?!』
太一「俺っちはあかぽよくんみたいにしてみたッスー!」
幸「センスない。」
太一「幸チャン〜っ!」

言われてみれば確かに形はてるてる坊主だ。
でも幸が作ったの以外は変な顔だったり、キャラクターに似せられていたりして、正直よくわからん。
これでも頑張って当てにいった方なんだけどな。

『うぅ〜、可愛いと思って作ってるのに…』
至「…まぁ可愛いかどうかは別として、何でてるてる坊主?」

テーブルに何個も転がっているてるてる坊主。
ひとつ手に取ってみると、やっぱりこれも困り顔に見える。
…どこか監督さんに似てて、愛嬌あるけど。

太一「ほら!今週末に向けてッスよ!」
至「今週末?」
幸「七夕。金曜は雨予報だから、当日は降らないように願掛けするんだって。」
『一年に一度しか会えない織姫と彦星、やっぱり綺麗な空で会わせてあげたいじゃないですか!』
至「なる。七夕か。」

だからって、こんなに作る?っていうくらいの量。
窓が全部てるてる坊主だらけになっちゃいそうだ。
でも、楽しそうな姿を見たら止める気にはならない。

至「…そういえば、天鵞絨街で七夕に夕涼み会するってポスターが駅にあったな…」
『わぁっ、いいですね!夕涼みしながら天の川が見れたら、きっと素敵なんだろうな〜。』
幸「でもまず、天気が晴れるかわかんないけどね。」
『晴れにするためにも!てるてる坊主いっぱい作って飾ろう!』
太一「はいッスー!」
至「ま、ほどほどにね。」

楽しそうにしている監督さんを横目に、俺は着替えるために自室に戻った。

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作者名:宇宙 | 作成日時:2018年6月29日 11時

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