満開な花を君に。2 (ページ30)

今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:1,251 hit

HUGのチカラおまけページ30

携帯のアラームで目を覚ます。
今日も仕事か、と憂鬱な気分でアラームを切るが、腕の中でまだすやすやと眠る彼女の寝顔を見て、頬が緩む。
昨夜の出来事が夢でないことが、ここに証明されているようで。

至｢ははっ。気持ち良さそうだな。｣

そっと髪を撫でる。
誰かと一緒に寝るなんて、あの春組みんなで舞台で寝た時以来だ。
一人で寝たあとより、スッキリしているのだから不思議だ。
やはり、ハグの力は偉大らしい。
夜中まで付き合ってくれた彼女を起こさないようにそっとベッドから抜け出す。
仕事に行く支度を済ませて、彼女の寝顔をもう一度拝む。
…うん、幸せ。
何なら毎日いてくれてもいいな。
そんな俺らしくないことを思うくらいには、やっぱり惚れているらしい。

至｢…ありがとう。ゆっくり休んでね。｣

ちゅ、と額にキスをして部屋を出る。
後ろ髪引かれる思いだけど、仕方がない。
談話室を通って、車の中で食べられる軽食のサンドイッチを臣から受け取る。
そこにいたみんなに見送られて、運転席に乗り込み、アクセルを踏む。
次の休みは、彼女と何処か出掛けよう。
何処がいいかな、そんなことを考えながらサンドイッチをかじった。
その頃、部屋では慌てた様子で、真っ赤な顔をしてうろうろと歩き回るA。

『ゆ、夢じゃ…ない、よね？ここ、至さんの部屋だし…。好き、って言ってくれた…！どうしよう、幸せすぎて死んじゃう…！』

…と、落ち着きなく動き回る。
また夜遅くに帰ってくるだろう彼を、どう迎えようか、ドキドキしながら考えるAでだった―――