満開な花を君に。2 (ページ22)

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１日パパ体験?! 2 ページ22

万里｢んで？コイツ名前は？｣
『凜ちゃんだよ。』
万里｢凜、いい名前だな。ほら、来いよ。｣

万里が手を伸ばすと、凜も応えるように手を伸ばす。
すっと抱かれると、すっぽりと腕の中に収まる。
そしてじっと顔を見上げるが、みるみるうちに眉が下がり、目に涙が溜まっていく。

万里｢…ん？｣
凜｢ぅっ…ぅぇーーーんっ！｣
万里｢のぁっ？！｣
至｢人生スーパーウルトライージーモードの万里が泣かれるとか、ワロ。｣
一成｢うわ、激レアじゃん！インステインステ～！｣
万里｢笑ってる場合じゃねぇ！｣
綴｢あー…パパじゃないって気づいたんだな。大丈夫、ゆっくり背中撫でて、身体揺らしてみ？｣
万里｢お、おう…｣

綴の言う通りにすれば、泣いていた凜も徐々に落ち着き、万里の頬に手を伸ばした。
感触を確かめるようにペチペチしたり、握ってみたり。
Aはいつか怒り出すのではとはハラハラしながら見守るが、そんな気配もなく。

万里｢落ち着いたかー？俺にこんなに触れんの、今のうちだからな！｣
凜｢あ！｣

とにこやかに話し掛ける姿にホッとする。
隣で綴が凜の頭を撫でたり、椋が優しく顔を覗き込んだり…
紬が庭の花で冠を作り被せたり、シトロンが玩具で気を引こうとしたり…
次から次へとメンバーに抱かれて、楽しそうに声を出して笑う凜は、とても愛らしい。
至極和やかで、癒し空間だ。

凜｢うー！う！あ！｣
天馬｢ん？どうしたんだ？｣
臣｢…左京さんに手、伸ばしてますよ。｣
左京｢…俺に？｣
太一｢本当だ！左京にぃに抱っこしてほしいんじゃないッスか？｣
幸｢銭ゲバヤクザが抱っこして大丈夫なの？｣
咲也｢左京さん、はい！｣

咲也が凜を抱き上げ、左京へと渡す。
手を伸ばして声をあげる凜を、すっと受け取り、見つめ合う。

左京｢小さいな。｣
臣｢ですね。｣
左京｢いっぱい笑って、デカくなれよ。｣

優しく笑いかけ、背中をぽんぽんと叩く。
その姿に皆唖然としていたが、何だかんだこの人の優しい部分を知っているので、顔を見合わせて微笑んだ。