検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:126 hit

プロローグ ページ1

私はユウ。
今日は中学校最後の日、卒業式だ。みんな少し着飾って、思い出の詰まった校舎の前に集まって写真を撮ったりしている。
私は中学では上手く馴染めなくて、それらしい友達というのは出来ないまま卒業を迎えてしまった。
進学する高校は、とっても綺麗で、偏差値の高い場所を自ら選んで、一生懸命勉強して合格することが出来た。
高校では、友達を作る。そう心に決めた。

式が終わったら、特に話したい友達もいないのでさっさと帰ることにした。
見慣れた景色の路地を通り抜ける。

暫く歩いてから、異変に気付いた。
いつもの通学路を歩いているはずなのに、いつの間にか見慣れない家などが建ち並ぶ住宅街にまで来てしまったようだ。周りには知らない家が沢山建っている。
今日のみ持ち込みが許可されていたスマホで位置を検索してみようとするも、圏外と表示されてしまった。
殆ど人通りは無く、辺りはしんと静まりかえっている。

(怖い…)

私は歩くのをやめて、辺りを見回すが、やはり知っている景色は現れない。
そこで、私は方向転換して来た道を戻り始めた。恐怖から足が速まる。

「あっ……」

何となく想像していた展開だった。
一本道だったはずの道は、十本以上に枝分かれしていた。その先も枝分かれし、その先も…
驚いて、急いで真っ直ぐ道を引き返していく。
でも、見たことのある景色が出てくる気配はない。
焦って進んでいくうち、左右の二手に別れる道に出た。

(こんな分かれ道は無かったはず…)

ここはおかしい。そう直感でわかった。
このまま引き返していくか、もう一度戻って前に進んでみるか…
しばらく悩んでから、私は左の道に進むことにした。

少し歩くと、地面に綺麗な楕円形の水たまりが足元にできていた。

(最近雨なんて降ったかな…?)

不安に押しつぶされそうになりながら、私はその水たまりを覗き込んだ。
その瞬間、水たまりの水面(みなも)が揺らいで、虹色に輝き始めた。

(何が起こってるの…!?)

一段と強く光ったとき、私はその光に取り込まれてしまった。

序章 第1話→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:澪碧(レイア) | 作成日時:2024年1月8日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。