ただ愛する仲 Ⅴ【Hikaru.I】 (ページ4)

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照 side

光「兄さん！」

照「急だとはいえ、康二に頼むことかよ！？」

光「助けたい一心で彼が決めたんだよ！
　兄さんを生かすのが最優先なんだから」

どう考えてもあいつに頼むなんて間違ってる。

康二から肝臓をもらって、あいつに何かあったら？
それこそ俺はもうやっていけない。

照「もう俺、違う主治医に頼むわ」

光「プライドだけは無駄に高いのね。
　そんなもの捨てて…」

照「プライドまで捨てたら俺に何があんだよ！
　あいつから肝臓貰って平気で生きれねぇよ、！」

俺の叫び声が聞こえたのか、Aが止めに来た。
それを無視して走って病院を出た。

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康母「康二の頑固さを知りながら、一度止めた。
　もう…本物の兄弟になるといいわ。」

照「…え、」

康母「はぁ、長生きして親孝行するのよ！」

呼び出されたと思ったら、康二の母さんにまで
移植の許可が出てしまった。

…俺は、あいつが心配なのに。

『照、…私はどっちの気持ちも分かる。
　でも1番つらいのは、照だよね。』

照「…手術はしねぇ。」

『移植を望むのはわがままだって思ってる？』

当たり前だ。

人の臓器を奪ってまで生きるだなんて。
そんな思考は無い。

『…貴方のわがままなんかじゃ無いから。
　これは、私たちのわがまま。』

照「選択権は？」

『ないよ、つらくても生きて欲しい』

…俺だって、生きたくないわけじゃない。

『お願い、』

照「…分かったよ」

彼女の願いに、俺は折れた。

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