ただ愛する仲 Ⅴ【Hikaru.I】 (ページ2)

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自分のアトリエに戻って、
散らばっていた資料を片付ける。

ドアをノックする音が聞こえて上を見ると代表が。

辰「彼も仕事を辞めたらしいけど、なんかあった？」

『いえ、これからも何も起こりませんっ！』

辰「…？」

『あ、…っと。
　残りの作業は目黒くんに引き継ぎました。』

辰「そっか、お疲れ様。
　 …遺族に連絡が行くけど、見つかった骨は
　未収容の人じゃなかった。」

色んな事があって記憶が薄れていた
現場で発見された骨。

未収容の方じゃない、ということは
もう見つかっている方の骨ということ。

辰「希望する遺族が居たらDNA鑑定する、でも」

『いえ、…妹かもしれません。
　母に見せられないほど損傷が酷くて。』

辰「…分かった、鑑定するね。」

『ありがとうございます、』

辰「お礼は俺が言わなくちゃ。
　 2人のおかげで一線を超えなかったんだ。」

あのままいけば父の二の舞だった、と肩を落とした。

結局ちゃんとトラブルを処理した深澤代表は
やはりしっかりした人だ。

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現場まで足を運んで、最終確認を行う。
ここからは目黒くんの仕事だ。

帰り道のバス停には照が座っていた。

『…バス停の名前が笑えるよね。
　 Sモールなんてもうないのにさ？』

照「ふは、よく覚えてんな」

全く知らない人だったあの時とはもう違う。

『照との出来事はもう何も忘れない』

照「偉いな〜〜」

『そう、私たちは偉い！』

手を繋いで、ここから見える現場のクレーンを眺めた。

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