ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ10)

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ふ、と目を覚ますと目の前に照の顔が。

三角座りをして寝ていたらしい私の顔を
支えてくれていた。

『…眠れた？』

照「あぁ、居てくれたのか」

『起きた時、1人にさせたくなかったんだもん』

優しく微笑んでくれる彼。
少しすっきりしたのか、顔つきが変わっている。

『んん〜、帰らなきゃ…』

少し伸びをして立ち上がると、
慌てて照も準備を始めるから笑ってしまう。

『まだ寝てて、始発で帰るよ』

照「…ありがとな。側に居てくれて。
　すげぇ嬉しかった。」

手を握って恥ずかしそうにする姿が可愛らしい。

『拒みさえしなきゃいつでも側に居てあげる。』

ぎゅ、と1回強く握って私たちは離れた。

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笑顔には10の表情筋が必要で
顔をしかめるには全ての表情筋を使うとか。

明るく笑える1日になるよう願いながら朝の番組を初めます。

どこかのイヤホンから音漏れするバスの中で
うたた寝をする。

危なく会社の最寄りを通り過ぎそうになった所を
急いで駆け下りた。

辰「おぉ、早いねぇ。
　これ、…いいんだけど開放的すぎない？
　感情を悟られたくない人も居る。」

『ですが、周りを気にせず心のまま泣けるように
　悲しめる場所にしたいんです。』

私の描いたデッサン。
何かを考えた後、それを置いた。

辰「悲しむだけで済まなかったら？
　 “被害者は悲しむだけ”それは先入観だよ。
　強欲で詐欺を働く者もいるだろうし。
　被害者も加害者になり得る。」

…いかにもそういう人に会ったことがあるかのように
話す深澤代表。

『代表、』

辰「追悼公園を何度も訪れるのは、
　その周辺で生活をする人々なんだよ？
　立場は分かるけど、今は設計者として考えて。」

そう、上手くいかないもんだ。

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