ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ39)

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照 side

マ「妹さんからずっと電話鳴ってるじゃない」

照「…マリさん、今の俺が底辺じゃないなら
　地下何階まであんだよ…」

マ「分かった、Aちゃんね」

言葉を濁した俺の意味とは。
一瞬でバレてしまったなら仕方ない。

照「俺と一緒に居るのが苦しいってさ。
　 …手放すべきかよ？」

マ「手放せるの？」

照「苦しませるくらいなら…
　 1人で後悔する方が断然マシだと思う」

マ「はぁ、あの子よりプライド優先！？」

照「ちげぇよ！」

…プライド？
そんなのはこれっぽちもねぇ。

照「何よりもあいつが大事！
　大好きなんだよ、おかしくなるほど！！」

恥ずかしさに耐えられなくなってクラブを出た。
結局、帰り道に思い出すのも彼女だけ。

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『貴方を嫌いになるまで毎日来るから』

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君の精神は凄いものだったんだな。

電話に出てくれない哀しさが
今になって突き刺さる。

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渡辺麗華今すぐここに行って

指定されたご飯屋行くと、渡辺理事と深澤代表が
現場から出てきた骨の話をしていた。

辰「採掘は済んだんで工事は再開出来ます、でも…」

照「遺族の耳に入ったら、骨を探したいはずだろ。
　騒ぎになって工事中断が怖くなったか？」

翔「びっくりした…お前が呼んだの？」

辰「俺じゃ…」

照「室長が行けと」

ひえ〜、と頼りない声を出して渡辺理事は部屋を去った。
俺は深澤代表に踵を返す。

辰「…俺らの出る幕じゃないよ。
　遺骨は警察の管轄で建設の安全性とは無関係。」

照「俺をここに送った理由…自分で分かってんのか？」

辰「隠してるんじゃない、
　あえて明かす必要はないでしょ？」

現場が止まれば職を失う。
真面目な人を苦しめちゃいけない、という言い分は分かる。

ただ、そんな優しい妥協が彼らを危険に晒す。

照「代表には妥協してほしくねぇんだよ。
　もしその気なら…
　父には無理だったけど、俺が止める。」

これで、彼は止まってくれるのだろうか。

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