ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ35)

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A side

慰霊碑を置く位置が中々決まらず、手が止まっていると
勢い余るスピードで麗華さんが深澤代表の元へ。

目黒くんと頷いて、聞き耳を立てる。

麗「してもないことに責任は問えない。
　問題があれば管理者の貴方が責任を負う。
　 DNA検査の結果が出れば工事を再開出来るわ。」

現場で起きたトラブルが、警察沙汰になるらしい。

蓮「あれかな、人骨が出てきたって」

『…人骨？』

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現場に行くと、立ち竦む後ろ姿が見えた。

照「…いつ来た？」

『骨、誰のだったの？』

照「まだ分かんねぇ。
　誰にしろ見つかってよかった。」

『…そうかな』

照「いいことだよ。俺ら居ても邪魔だから帰ろう」

その意見には賛同して、後ろを振り向くと
大型トラックが目に入った。

『…あれ、待って！』

トラックの荷台に乗せられた産業廃棄物が
ロープで固定されていない。

あのまま道に出たら…

急いで駆け出すが、運動神経の無さが
存分に出てしまい追いかける途中で足を挫いた。

『いったぁ…と、止まって！！』

照「ちょ、ここに居ろよ？
　 …おい！！！止まれーっ！！」

照が止めたはいいものの、荷台から柱が転がり落ちてくる。

照「っ…あぶねぇ、」

『ひ、ひかる…大丈夫！？ねぇ、怪我は！』

照「平気、お前は…？」

『どうしよう、…本当に平気！？』

照「大丈夫だって」

間一髪、避けたはいいものの
私の肩を抱いたその手は震えが止まっていない。

『…照？』

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いきなり意識をなくした彼は意外にも
復活が早かった、が。

照「…降りねぇの？」

『病院に、』

照「迷惑になんだろ、降りて話そう？」

タクシーから降りて、目の前には
血だらけな服。

『急に倒れて鼻血も大量に出たんだよ？』

照「横になれば治っから。
　もう病院はうんざりすぎる」

あにき〜〜〜〜！と元気な声の後、
泣きそうな声に変わる。

康「また鼻血出たんかぁ？」

照「大丈夫だから安心しろ、Aも心配すんな」

『…病院行こう？』

照「2人とも、たかが鼻血で大袈裟すぎんの」

そういって家の中に入ってしまった。

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