ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ24)

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『お母さん、居ないの？』

帰ってくるとお母さんは出かけたようだった。
…こんな夜遅くに？

少し心配になったから、外で待つことにした。

　

母「…何してるの？」

『それはこっちのセリフ。
　こんな夜にどこに行ってたの？
　私が心配すると思わない？』

母「何を心配するのよ、
　死ぬんじゃないかって？
　そのつもりならとっくに死んでるわ。」

聞き流しながら中に入る母に着いていく。

『…私だってつらいんだよ』

母「仕事も順風満帆で、いつの間にか男も。
　父親との仲も良好でしょ？」

私が父から預かった慰霊碑の同意書を投げてきた。
…いつの間に見つけたのだろう。

母「黙ってるつもりだった？」

『言える訳ない、私は気を遣って…』

母「いつ気を遣った？
　父親に似て言うことも聞かないくせに。
　 …あの日だってそうよ、妹と一緒に居ろって！」

『そうしてたら…私も死んでた。
　それとも私がっ、代わりに死ねば良かった！？』

お母さんにとって、その方が良かった？
涙ながら叫ぶと平手打ちが飛んできた。

母「それが母親に言うこと！？」

『いけない？
　自分は何でも言うくせに！』

母「…最低の娘ね」

一方的な母親の剣幕。

事故の時の話をする母親に、
私もずっと貯めてきたものが吹き出してしまう。

『私だけが悪い！？あの日…
　私たちをあそこに置いていったくせに！
　悪いのはお母さんでしょ！？』

母「…出て行って、顔も見たくない！」

やり切れずに過ごしてきた想いをぶつけた。
物を投げつけられ、ついに家を飛び出してしまった。

行く宛はお父さん。

『お父さん、家に行ってあげて。
　お母さんの側に居てあげて…お願い！』

父「どうした！？裸足じゃないか…！」

『私はいいから、早く！1人じゃだめ…』

父「…昨日お母さんが」

『早く行ってよ！！』

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