ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ12)

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照 side

康「…どうしたん、それ」

照「ラウールがサンドバッグくれた。
　俺には使えないよ〜だって。」

康「え！？らうきゅん！？」

照「うるさ…吊るすの苦労した、殴ってみ」

殴って雑念を消すんだ！とラウ―ルに言われた。
そんなにも雑念多そうに見えたのか？

康「へぇ、どんなもんかいな〜〜〜」

何気なく康二が殴ると、驚くほどのパンチ力。
…流石ムエタイ野郎だ。

康「てるにぃ仕事は？」

照「え、あ、あぁ、行ってくる、わ」

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慰霊公園変更案

辰「渡辺理事があっさり許可した！？」

照「あっさりではないけど、結果的にそうなった」

辰「公園の設計者は…」

照「Aでしょ？
　俺は現場で手助けする。…聞いてない？」

今の俺に怖いものなんてない。
何もかも強気だ。

辰「えぇ〜…どうなってんの？」

照「どういう訳か俺にもチャンスがきたから
　掴んでみたんだよ。
　知ってんだろ？俺は、Aが好きだ。」

辰「あ〜、プライベートじゃなくて何で現場に…」

照「Aのためだ。
　代表みたいな立派な人間にはなれねぇ。」

でも努力すれば、俺にも
1人くらいは守ることが出来そうだよ。

　

『…何しに来たの？』

照「仕事しに来たんだよ」

彼女のアトリエに足を運んで
慰霊公園の詳細を決めていく。

『これじゃあ中心じゃない？』

照「だからだよ、人通りが多いから目立つ」

『…』

照「お前は今まで通りやればいい」

小さい頭をわしゃわしゃと撫でると、
擦り寄ってくる。

…四捨五入したら子犬だ。

照「そうだ、これ」

『…これは？』

照「父さんのメモ帳があるのを思い出した。
　 …お前なら、見たらわかるだろ？
　あの建物がどう作られて何で崩壊したか。」

席を立つと、名残惜しい目で見つめられた。

照「…後で少しでも会おう」

『んん？なんで？』

照「…今日の俺はかっこいい予定だから」

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