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照 side
渡辺建設にやって来た。
ばあさんの土地の売買契約。
翔「まじ、お前二言はなしだかんな！」
照「分かったって、現場復帰もいいんだよな？」
翔「あぁ〜もう勝手にしていいよ…」
条件に組み込んだ現場復帰。
久しぶりに向かうと課長はすっ飛んできた。
また一緒で嬉しいよ、と言われて恥ずかしくなる。
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『もしもし？』
照「あぁ…、もしもし、どうした」
『いや、かけたのは照でしょ？』
照「あ、ぁ。そうだった、飯は？」
『食欲がないの。照は？』
照「適当に済ませた」
夜、いつの間にか電話をかけていた俺は
話す話題も決めていなかったから必死。
照「仕事は？」
『終わったよ。今日何してたの？』
照「…ただ歩き回ってた、あちこち色んな場所を。
歩いてたら…お前のこと考えてた。」
『ふふっ…今どこ？』
照「ここは…」
『あはは、見つけた。』
周りを見渡すと、視界に入った女の人。
…やっぱり彼女はエスパーだ。
2人でコンビニで勝った肉まんを頬張る。
『あ、っふい！』
照「…食べ方もかわいい」
『えぇ？』
照「かわいすぎんのも大変そうだな」
機嫌良さそうに笑って、猫舌なくせに
どんどん口に吸い込まれる。
照「…食欲ないんじゃねぇの？」
『でも、照に会ったらお腹空いた！』
チョコも買う？と言われて頷くと
彼女は家族の分も買った。
照「…良かった、今日お前に会えて」
『…んふふ、私も』
ー
A side
2人きりの帰り道。
彼の腕に手を絡ませると、離されて
恋人繋ぎをしてくれた。
照「はぁ、案外簡単だな」
『何が？』
照「“幸せ”って。
ばあさん見てるかー！！」
繋いだ手を空高々と掲げて笑い合う。
楽しい時間もあっという間で、ばいばいを繰り返す。
照「じゃあな！」
『うん！』
照「…また！」
振り返っては何度も手をふる照。
…こんな幸せなことはない。
『…見てたでしょ、』
「あら、やだ。幸せそうねぇ！」
銭湯のバイトをしているおばさん。
『お母さんには内緒にして！！』
「…何でよ、貴方をこんなに笑顔にできるのは
彼の他に居ないでしょう？」
他から見てもそんな顔をしていたのか。
なんだか恥ずかしい。
ただ、お母さんに気づかれた時が1番怖い。
絶対に…引き離される。
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作者名：あんむ（みし）
| 作成日時：2021年10月9日 23時
