ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ49)

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『…次から次へと災難が降り掛かってくる。』

大「A、」

あの事故を生き延びたのに
病気で死ぬかもしれないなんて、理解が出来ない。

大介の家に行くと快く出迎えてくれた。

『こんな死に方するために、…彼は生かされたの？』

大「あぁ、目擦んないで。
　可愛い顔で会えなくなっちゃうよ。」

『あり得ないってぇ…！』

大「そうだねぇ…今は思いっきり泣いて、
　照の前で笑おうか。」

背中を摩ってくれても嗚咽は止まらないし
何なら大介まで鼻をすすっている。

『私が、なんとかしてあげたいよっ…』

大「…泣いてくれる人がいる、
　それだけでも照は幸せだと思うよ。」

慰めてくれた彼にお礼を言って家を出た。

こんな時間ではあるが、
慰霊碑のモニュメントを作りに行こうと思い立った。

　

　

『はぁ、』

照「あ〜、居ると思ったんだよなぁ」

とうとう幻覚が見え始めた、と思って
まばたきを繰り返してもやはりここに居る照。

『え、え？病院は…』

照「大丈夫だから。
　ていうか徹夜で組み立て？」

少し完成に近づいた慰霊碑に貼ってある付箋に、
彼は目を潤ませていた。

最後まで補修工事を続けた鉄筋チーム班長

照のお父さん。

『お父様の作業日誌に作業員の連絡先見つけて、
　話を聞いたら誰もがお父様を良く言ってた。』

彼の手を握って微笑んだ。

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辰「この柱を慰霊碑にすんのね？」

麗「見たくないんじゃないの？
　嫌がる遺族も居るはずでしょう。」

『見たくないだろうし、時も過ぎて…
　補償されたけど忘れちゃいけません。
　忘れた頃に、また同じ悲劇が起きます。』

照を連れて行って4人での会議。
麗華さんは反対気味だ。

照「慰霊碑を立派にする必要はねぇ。
　慰霊碑に快適さなんているかよ？」

麗「…掛け合ってみるわ。それよりも具合悪い？」

照「話は終わった、あとは頼みます。」

先に出た照深澤代表を追いかけず、
麗華さんにノートを差し出した。

麗「…これは？」

『照のお父様のものです。
　 Sモールの図面を見ました。
　 …制作側にミスがあったようで、』

麗「それで？」

『切断された鉄筋を売ったにせよ、
　証拠はありません…よろしくお願います。』

きっと、彼女は間違いを正してくれる。

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