ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ33)

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岩本照との朝ご飯。
朝が来るって本当に奇跡だ。

辰「Aちゃん！」

『ふははあらいひょ』

思わず立ち上がると、いいからと言われ
静かに着席する。

照「お前口に詰め込みすぎだろ」

『うるはい』

辰「…Aちゃんのおかげで惨事を免れた。
　なんで気づいたの？」

『疑問を放置すると事故が起こると思って…
　地盤も弱いし、雨も降って不安でした。』

ここで、彼が心配でしたなんて言えるわけもない。

照「勤務超過なので帰ります」

『え、まっへ…』

口の中に残りを放り込んで、彼の後を追う。

こちらを見つめた麗華さんに会釈をしてから
この場を立ち去った。

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『…喉乾いたから奢って？』

照「今小銭ねぇから」

『ケチ！』

照「ちょ、…」

二人がけのベンチに座って催促するも失敗。
だから彼が飲んでいたココアを奪って飲んでやった。

『昨日の夜は、何であそこに居たの？
　しかもあんなに焦って。』

照「…人だと思った。そう、見えたんだよ。
　閉じ込められたらどんなに怖いか。」

そう言ってココアを一気飲みして立ち上がろうとした。
が、右足に古傷が痛むようで上手く立てていない。

『足は大丈夫？』

照「平気、」

『…ほんとに嘘ばっかつくよね、見せて』

ズボンをめくると、彼が一瞬で元に戻した。

照「俺は気安く触れる男じゃねぇよ」

足をさすってから歩き始めた。

『え、私に何も言わないで行くつもり！？
　お礼くらい言ってよ！！』

そう叫んでも、振り向くことはなかった。

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