ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ27)

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A side

麗「展示用の模型はいつ出来る？分譲を急ぐなら、」

辰「正確性が必要だよ」

翔「掘削は予定通りに？
　工期に間に合わせるなら空き地を…」

『あの…あそこは地盤が弱いのでトレンチ掘削で』

私を含め4人、本社での会議。

ここで深澤代表に自分の意見を言ったから、
こんなに落ち込むことになったんだ。

翔「え、君って専門家だっけ？」

辰「周りに建物もないし、深度も浅いから平気。」

味方だと思っていた代表にもぶった切られる。

『でも傾斜が…』

麗「ねぇ、工期短縮のために選択したでしょ？
　問題が起きた時に対処、責任取るのは我々。」

立場をわきまえて、なんて言われてしまった。
立場を気にしてまた事故が起きたら？

麗「席を外して。」

そんなに睨まれたら出ていく他ない。

席を立った時に開いていたドアから見えた姿。
…岩本照、？見間違い？

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『すいません、私のミスでした。』

辰「ミスって？」

『こんな大プロジェクトで、判断を誤れば…』

辰「確かに大プロジェクトだし、先方の指摘も正しい。
　 …でもAちゃんも間違ってない。
　事故は起こそうとして起きるものじゃないよね。
　真面目な人々の小さなミスから引き起こす。」

俯いていた顔を上げると、微笑んだ深澤代表。

辰「疑問を放置することが最大のミスだから。
　勘違いしないで、俺はAちゃんの味方！」

会議中だったのに、わざわざこんな事を伝えるために
外に出てきてくれた代表。

麗「会議中よ」

辰「Aちゃん、先に帰ってて？」

2人は並んで中に入っていった。

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