ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ13)

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照「っえ、びっくりした…バス乗ったろ！？」

『はぁ…っ、』

さっき彼が買っていたパンを差し出されるが
そんなものが欲しい訳ではない。

『甘いものは苦手なの』

照「えぇ、美味いのに！！」

『…じゃあ半分だけ、』

「てるにぃ！おかえり！！
　 …いつも俺だけにパン買ってくれるのに！
　もしかして恋人！？」

独特なイントネーションで話す、男の人。
ハイタッチを交わすほどだから仲がいいんだろう。

余っていたパンを全て押し付ける。

照「馬鹿言うな、ほら全部食え」

『っあの、』

私の方を向いてはくれないけど、
立ち止まってくれたから聞く気はあるみたいだ。

『“死ぬかも”とは思ったけど…』

照「ん？」

『死にたくはなかった。』

照「なら良かった」

『…ありがとう、助けてくれて。
　パンいただきます。』

お辞儀をして、ゆっくり歩き始めた。

照「え、それだけのために来たのかよ！？」

「照にぃ行こ〜〜〜」

意外と優しい彼の一面を知ることが出来た1日。

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