ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ12)

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着替え終わって、外に出ると雨は止んでいた。
夏でもないのに夕立みたいだ。

照「＿＿って＿＿のか」

近くで声が聞こえたから寄っていくと、
目黒くんが問い詰められていた。

蓮「俺、立入禁止って知らなくて…」

照「だからって危険な場所に放置は違うだろ
　止めるべきだった。」

話が終わったみたいで、後ろを向かれるから
慌てて顔ごとそらす。

と、麗華さんの車がこちらにやってきた。

麗「送っていくわ」

『いえ、バスで帰ります』

麗「もう1度聞く、本当に平気？」

『あぁ…じゃあ、目黒くんを送ってもらっても？
　彼、無駄足になっちゃったし。』

ずっと事務所で待機していただけになってしまった彼。
余計な責任も感じさせてしまった。

照「お前は彼女の荷物も持ってけ。
　怪我人に持たせる気か？」

蓮「あ、はい」

去っていった高そうな車。
そうして彼と2人きりになってしまった。

照「…帰らないのか？」

『え、』

照「バスに乗るんだろ？」

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ここのバス停で隣に座るのは2回めだ。

照「家は遠いのか？」

『…少し、△△って所』

照「名前は聞いたことある」

『……銭湯を営んでる。』

照「そりゃいいな」

『“サンゴの湯”。』

照「…何だよ、来いって？」

『女性専用だから男湯はないよ』

照「っは、最高だな」

会話がなくなるのが怖いのか、
理由は分からないけど自分の事を少しだけ話した。

ここで無言の時間が到来。

『…あ、バス。』

この前、彼もこのバスに乗ったから
一緒かと思ったら無言で立ち去ろうとする。

バスの窓を開けて話しかけた。

『の、乗らないの！？』

照「家に帰る」

『この近くなの？』

こちらを見ずに頷く。

『この間のは…！』

良い所でバスがスピードを出し始めて
聞くことが出来なかった。

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