ただ愛する仲【Hikaru.I】

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A side




「ふっかのお墨付きでも、実力テストは必要だね」




なんだか優しそうな彼の名前は、
阿部亮平さん。




電話で言われた破格の条件とはこの事らしい。




亮「あいつがスカウトしたってことは、
　 その…いい仲ってこと？」


『…誰と？』


亮「え、深澤辰哉って知らない？」


『知らないんですけど、』





女の子のように、目をぱちくりしたあと
一方的なんだ、と呟き、咳払いをして今後の話を続ける。




亮「こ、今回の案件は規模が大きくて
　 模型だけでも数十個なんだ。
　 プレゼン用の模型もいるし、出社してもらうよ？」


『出社を？ それは聞いてません！』


亮「え…在宅で出来るような作業じゃないよ、？」





とにかく母の事が気掛かりな私は
在宅が希望なのに。

と、目に入った設計図。





『3階は空中回廊でつなげるんですか？
　 わぁ…見晴らしも日当たりも良さそう。
　 あ、動線が同じになるように考えてあるんだ…』


亮「…？」


『いつから出社すればいいですか？』






この図面を見ただけでわくわくが止まらなくなった。





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