ただ愛する仲【Hikaru.I】

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照 side




マ「はい、どうぞ」




約束の取り分20％の金。
結局、渡辺翔太は慰謝料をすぐに払ったらしい。

まぁ…金で解決するのが得意だったんだろう。




照「じゃあ。」


マ「仕事がないならこのクラブで働けばいいのに」






出ていこうとしたら、言い止められた。





照「っは、嫌だね。」


マ「だったら飲んでいって」


照「嫌だ。」


マ「なんでよ？」








この個室を見渡す。







照「窓がなくて息苦しい。」





そう言ってドアを掴んだ。




照「…あ、渡辺建設が建てるビルだけど、
　 大規模な工事なら人手がいるだろ？」


マ「何、結局働くの？」


照「働けるように、手を回してくれ。」




溜め息をつかれたけど、別に気にしていない。
働ければそれで良いんだから。






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今日3つ目に訪れる所。



裏路地を少し行くと、錆びれた建物
そこが俺の目的地だ。






「…また？
　 鎮痛剤とはいえ麻薬と同じよ。
　 いつか肝臓が死ぬけど？」





ヤンキーチックなばあさん。
ぶつくさ言いながら、薬を準備してくれる。





照「ん、ありがと」


「なんか今日お金多くない？」


照「…残りは俺の妹に渡しといて。」


「そういうのは借金を返してからにしなさいよ」


照「あいつは俺と違って優秀だから、」


「はぁ…母さんの入院費を貸してくれって
　 泣いて騒いでいたのに、すっかり大人だねぇ」


照「はは、ばあさんも老けたよな」




そう言いくるめて、ばあさんの返事も聞かず
古びた建物を出た。






そう、妹は俺と違う。

看護師になるために病院へインターン、人生勝ち組だ。



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