ずるい Part2 (ページ9)

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知ってたの？ページ9

『それから違う高校に行って会うこともなかったんだけどな
この前は本当偶然なんだよね』

話し終えてほくちゃんを見るとほくちゃんは優しい顔で笑い

「ねえA？...まだ好き？」

一言だけ私に問いかけたけど

そんなこと聞かれたのは初めてだった

好き

それはもう違うと思うんだ

『心の中にまだいるの謙ちゃんが
でもね好きとは違うと思うんだ』

ブランコをゆらゆらしながら話す私に君はふふっと笑うと

「A？俺はさAが前に進めればいいなって思うんだよね
もう聴き飽きたでしょ？」

『え？』

「AはAなんだから
俺はどんなAでも受け入れる準備あるよ」

ほくちゃんは真っ直ぐ私を見てそう言った

なんだ...知ってたんだ

恥ずかしくなって少し笑った私にほくちゃんはもう一言付け加えたんだ

「俺は悲しくなんてさせない」

ほくちゃんが少し霞んで見えた

目に溜まる涙を必死でこらえたんだ

謙ちゃんの聴いてた曲はいつからか私の心を代弁するように感じてずっとずっとずっとずっと耳が腐るほど聴いてきたのに

いとも簡単にほくちゃんはその歌詞を勝手に自分の都合の良いように解釈してる私を否定した

ねえほくちゃん？

ずるいのはほくちゃんだよ