ずるい Part2 (ページ27)

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鈍すぎるページ27

「おいくらですか？」

言うと思ってた

前に君が褒めてくれた私の香り

君にも君の香りをみつけてあげようと連れてきたけど

初めて見るものに目をキラッとさせながら君はとても楽しそうだった

セレクトしてもらったものを包んでもらえば財布を取り出した君はそう言うんだ

全くもう、全部想定内だよ

『いいよ、大丈夫だよ。私からのプレゼント』

「や、自分で払うからほんと」

君はちょっと顔を赤くして財布を握りしめる

『大丈夫だから』

「いや、だめ」

全く頑固なんだから

「受け取ってやってくれない？
こいつが誰かの香りを作ってくれ～なんて言うの初めてだからさ」

君は目をパチパチさせながら訳がわかってなさそうな顔で困ってて

『お兄うるさいよ、ほくちゃんお兄ちゃんなのこの人』

んふふと笑えば君は安心したように目を細めて

「...早く言ってよ」

なんて笑うんだ

そのあとはご丁寧にお兄にもきっちり挨拶をして
自分だけの香りを嬉しそうに受け取ってお兄と私に沢山のお礼の言葉を伝えてくれた

『さあ、パンケーキ食べて帰ろー？』

来た道を戻りながら君を見て笑えば君は笑って頷いたあと

「ねえ？モテるってどういうこと？」

なんてさっき私が思わず口から溢してしまった嫉妬まみれの質問へ
ご丁寧に君はもう一度巻き戻した
別に恥ずかしいことを聞くわけじゃないけどちょっと恥ずかしい
でも、今しか聞けない気がする
さらっと聞いてしまえばいいんだ

『ほくちゃんはモテるのかな？』

真っ直ぐ前を向きながら歩く足は止めずに君に聞けば

「モテる？」

なんでこんな感が鈍いんだよ

『んーもぉっ女の子といるとこ見たからそう思ったんだよもうっ』

立ち止まればほくちゃんは一歩私より進んで立ち止まりゆっくり振り返った

「A？どういうこと？」

ああもうっ鈍すぎるでしょ