ずるい Part2 (ページ21)

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気付かなくてごめんねページ21

『遅いよもう
あまりに酷くて何も言えなかったのかと思った』

「...ごめん」

ほくちゃんは片手で口を覆い目をそらす

制服を着てる君よりも私服の君は大人っぽいし

前も思ったけどお洒落さんな君は高校生には見えないくらい大人っぽいのに

どことなくどことなく幼く見えた

『お揃いになっちゃったね』

ブランコをこぎながら言えば少し黙ってた君は

「ねえほんとずるいよ」

なんて顔を真っ赤にして言うんだ

思わずブランコをこぐのを止めたのはそんな君は初めて見たから

胸がぎゅっとなったから

『ほくちゃん？』

名前を呼べば君はゆっくり私を見て
止まったブランコに座る私の前に来て両膝をつき私の髪に触れた

「可愛いねA」

名前を呼ばれただけで胸が苦しくなり胸が熱くなった

髪に触れる君の手をゆっくり握れば君は目を見開いた

初めて気付いた

気付くのが遅いのは私だったね

今までの君も全部君だけど本当の君は違ったんだね

『ほくちゃん無理しなくていいよ』

君は私の手を握りなおして俯くと

「...うるさい」

弱っちい声で呟いたんだ

本当の君を初めてみたよ

ねえほくちゃん？

本当の君をもっとみせてよ