ずるい Part2 (ページ20)

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ごめんね北斗side ページ20

「おはよう
ん？こんにちはの時間かな？」

『あ、え、うん、おはようにしとこっか』

Aは待ち合わせの5分前に来てにこにこ笑って俺を見る
待った？なんてお決まりのセリフだけど言ってもいい？なんて挨拶した後に言うところがAらしくて思わず笑うけど

ごめんね最初に反応出来なくてさ

二科展は目をキラキラさせながらひとつひとつ食い入るように見て
とくに言葉なんてなくてもAが何を思ってるか何を感じてるか手に取るように分かる気がしたんだ
それは俺にとっては格別な時間だったしずっとAを見てられるとそう思ったりもして

会場から出て公園に入りブランコに座り揺れる姿は何度か見たのに
今日のAはいつもより大人にみえる

制服じゃないからかな？

ううん違う

ちゃんと分かってるのに言葉が出てこない

「ねえほくちゃん？」

首を傾げながらふんわり笑うAからAの香りがする

ねえA？

俺さ今日どんな顔してる？

すげえダサい顔してない？

短く深呼吸して口を開いたのは俺

『すごい似合ってるよ』

その言葉を聞いてAは目を細めて笑うんだ

ごめんね最初に言えなくて