ずるい Part2 (ページ1)

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始まり過去編ページ1

「ねえいつもいつも何読んでるの？」

『えっ』

「高地や大我と一緒かここにいるかどっちかだよね？」

『あっ...うん』

「本好きなの？」

『う、うんそうなの』

「そっか！
あ、ごめんいきなり話しかけて！
一応おんなじクラスに今年からなったんだけど...」

『やす...いくんだよね？』

「うんそう！なんだ知ってた？
あーでも安井くんはやめてよなんか他人行儀じゃん？
やっすーとか？あ、待ってA
やっぱ謙ちゃんにして？可愛くない？」

『謙ちゃ...ん？』

「ん、上手いつもここで1人じゃん？
俺もたまに来ていい？あ、勿論静かにしとくから
じゃあねA」

春のあったかい空気が図書室に吹き込んだ

謙ちゃんと話したのはこれが初めてだったんだ

随分前から知っていた知らないわけなんてない

謙ちゃんは学年でも学校でも大我と同じくらい有名で大我より人気者だった

人懐っこくて誰にでも優しくて誰からも好かれてた

でも知らなかった

私がどんどん謙ちゃん色に染まってくなんて