訳あり第4章 (ページ48)

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弱い人間北斗side ページ48

「は？
いや、すいません関係ないんで」

病院からのいきなりの電話に少しびっくりしながらも
意外と冷静に対応出来るのは俺の中で母親という存在を過去にできてるからで
ただ今時の病院は
あ、そうですかのふたつ返事で放って置いてくれるわけではないらしい

「わかりました」

コートを羽織りマフラーを巻いて部屋の扉を閉めると
丁度部屋から出て来たAは

「どっか行くの？
ああまだ頭痛いなちょっと」

なんて少し笑いながら頭をさすってて

「ちょっと出てくる
お粥キッチンあるから食べて」

「ん、ありがとね」

Aの頭をそっと撫で背を向けて玄関に向かうと俺の名前を呼ぶ

「北斗？行ってらっしゃい」

にっこり笑ってるAの行ってらっしゃいは俺にとってもう当たり前になっていて

「行って来ます」

そう言って家を出た

過去には蓋を閉めたはずなのに

少し触れただけでゆっくりと蓋は開いてしまうらしい

過去に鍵をかけて置いたはずなのにしっかり鍵をかけてなかったのは俺なんだ

やっぱり俺はすげえ弱い人間なんだ