訳あり第4章 (ページ45)

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2人がいいページ45

「あいつ」

北斗はスマホを見て呟いて

「慎太郎は？」

「ああ…友達見つけたんだと」

そう答えて北斗はスマホをポケットにしまう

人混みの中なら聞ける気がした

「ねえさっきさ」

「さっきごめん俺大人げなかったよな」

呟いた北斗は私の手を引いて細い道を抜けるとあまり人の少ない公園のベンチに座る

「ねえ北斗？」

「ん？」

「怒ってた？さっき？」

みかん飴をかじりながら呟いた私に北斗は空を見上げて笑うと

「怒ってないよ
嫉妬したの京本に素直じゃないから俺さ」

北斗の横顔は今まで見た中ですごく綺麗で

「素直じゃないの北斗って？」

そんな私の言葉に北斗はゆっくり私を見ると

「素直だったらあの時嫌だって言ってるよ」

そんなこと言って私の頭を撫でたんだ

「嫌なんだ？」

そんなこと言う私に北斗は目を細めると

「嫌だよ悪い？」

なんて呟いて

「素直じゃん」

笑う私に北斗は少し眉を下げると

「でもさお前が京本と過ごしたいならそう言え」

なんてそう言った

「家は今のままがいい」

小さな声で俯きながら呟いて

「ん？なんて？」

北斗の声に顔を上げると優しい顔で見つめてて

「家は北斗と2人がいい」

顔を見て呟いた私を北斗はぎゅっと抱き締めた

「ごめん寒いからちょっとだけ」

そう言った北斗の顔は見えないけど

北斗の声はなんだか嬉しそうだったんだ