お願いごと？ ページ41
「さーぶーい」
初詣に行こうと夜中2時に騒ぎ出しみんなで家を飛び出した
私がみんなの歩く後ろ姿を見て呟くと
「確かに寒いね」
隣を見れば大我が白い息をはきながら私を見てにっこり笑ってて
「神様にお願いすることなんてないんだけどね」
呟いた私に大我はまたふわっと笑うと
「俺はあるんだけどね」
そう答えて私との距離を少し縮める
肩が触れそうで触れないくらいのこの距離感はいつも大胆に距離を詰めてくる大我にしては珍しく
チラッと横目で大我を見ると
「本当は神様なんかじゃなくてさAに直接頼めばいいのかもしれないけど」
「何それ？大我は私にすんなりなんでも言うじゃん」
「そう？さっき言ったことだって俺の中ではドキドキしながら言ったんだけどな」
大我は綺麗な顔で綺麗に笑いながら前髪を整える
さっきのっていうのはきっとさっきことでさっきの答えを言ってない私は今の言葉にもなんて答えていいのかなんて分からなくて
信号は赤に変わり私と大我だけが横断歩道の前で止まり
先に行くぞーなんてみんなの後ろ姿は小さくなる
「ねえ別に俺はAを困らせたいわけじゃないんだけどさ
俺が嫌だったら俺から離れて」
大我は私の手を握りそう呟くとそっと私を引き寄せる
「大我？」
小さな声で名前を呼ぶと
「ねえA？俺のこと好きになってよ」
私よりも小さな小さな大我の声は私の耳にしっかり届いたんだ
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作者名：むぅ
| 作成日時：2018年1月27日 18時
