訳あり第4章 (ページ37)

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慎太郎とのデート慎太郎side ページ37

予想以上に難しく考え出したAを真っ直ぐなルートに戻すのは
そこまで大変なことじゃなかった

「ねえきょもと北斗はなんか言ってたの？」

少しして問いかけた俺に

「忘れた」

なんて見え見えの嘘をつく

「ねえきょもはなんて？」

「忘れたってば」

「北斗は？」

「忘れたの」

「言ってみた方が楽になると思うけど」

眉間にシワを寄せるAは俺を見て俺は目をそらすとスマホをいじりながら同じことを問いかけた

「きょもはー？」

「俺は対象外なの？って
意識しないのか？って」

「ふーん北斗は？」

「いつだってお前しか見てないって」

北斗の言葉に俺はAへと視線を移す

「楽にならないじゃんばか」

北斗ってそんなこと言えるんだ

「Aってさなにに迷ってんの？」

俺の言葉にAは難しい顔をする
悩むことなんてないのに

「みんなAが好きなんだからAが好きな人に好きって言えばいいだけじゃん」

「…よくわかんない」

「大丈夫すぐ分かるよ」

笑うAを見て俺も笑う

分かってくれなきゃ俺困るもん

一度押し殺した感情が込み上がるのを冷静に落ち着かせることができるのは

きっと俺がAをとても大切な友達だと

捉え出したからなんだ