北斗とのデート 北斗side ページ35
「…ん？」
頭の上のお団子を掴みながら言った俺の言葉に目をパチパチさせる
なんなのこいつほんと
「だから本読んでたって何してたって
お前が誰のことで悩んでたって
お前が誰のこと考えてたって
俺はお前しか見てないから」
一度開いた口から出る言葉は止まらない
毎日毎日なにかしら持って帰って来たり着けてたり
毎日毎日難しい顔をするAはきっとあいつらの抱く感情に向き合おうとしてるんだろう
でもごめん
俺もあいつらと同じなんだ
Aはお団子を掴む俺の手を握ると団子から離して手を握り直す
「勘違いするよそんなこと言ったら」
俯いて笑うAは岩盤浴で暑いからか頬は赤くなっていて
手をギュッと握るそんな姿にドキッとする
「すれば？それにお前もね勘違いするよ俺も」
もう片方の手でAのおでこに張り付いた前髪に触れるとAは少し笑い
「すればいいよ北斗だって」
なんてとても小さな声で呟いた
とっくにもう勘違いならしてるんだ
ねえどうして君にはこんなに触れたくなるんだろう
昔のように女嫌いのままの方が楽だったかもしれない
間違いなく抱いている感情は恋心で
間違いなく俺より魅力的な奴らがライバルなんだ
俺は君しか見てないのに
君は誰で悩んでるんだろう
俺は勘違いさせてるわけじゃない
全部全部本心だから
全部全部受け止めてくれたらいいんだ
それでいいんだ
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作者名：むぅ
| 作成日時：2018年1月27日 18時
