訳あり第4章 (ページ26)

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高地とのデート高地side ページ26

「どっちも買えば？」

「北斗に無駄遣いだって怒られる」

なんてAは悩みながら鏡の前でコートを自分に合わせてて

初めて会った時のAからは想像もつかないくらい

自然に笑えるAを見てなんで友達なんだろうな

なんてまだ考える俺は未練があるのだろう

コートを買った後入ったカフェで美味しそうにAはケーキを食べる

「最近よく京本の家行ってるの？」

「んー北斗のバイトの日とか？
大我のお母さんの料理すごい美味しくてさ
ねえ…それ一口食べていい？」

俺のケーキを一口すくい口に入れる

「京本となんかあったでしょ？」

俺の言葉に一瞬ビクッとしたAは

「大我に関しては特別なことじゃないでしょ？」

本当に俺らの姫は世話が焼けて

あいつらも世話が焼ける

俺が諭すしかないんだから

「だからさ
Aにしかしてないと思うよ
みんなAだから必死こくの
みんなAだけなの」

「私そんなさ…」

眉を下げて言いかけるAを見る

「明日から大変だと思うけど困ったら連絡しな
いつでも相談のるからさ」

笑った俺を見るAは困った顔で笑いながら俺にありがとうとそう言った

俺は君の友達だから

いつだって君を見守るよ

カフェを出てそろそろ帰ろうかなんて言うAに
トイレに行ってくるからちょっと待っててなんて言って彼女から離れて足早に向かう

「ごめんA」

「ねえ高地トイレ長く………えっ？」

「や、もうひとつもすげえ欲しそうだったから
北斗に怒られたら俺が無理やり渡してきたって言って」

Aが悩んでやめたコートの入った紙袋を手に握らせると

「でも…」

申し訳なさそうな顔をして

「明後日クリスマスイブだからね」

そんな俺の言葉にAはハッとすると笑いながら俺を見て

「すっごく嬉しい！
学校着ていくねこれ
でも北斗になんか言われたって無理やり渡してきたなんてそんなこと言えないけどね
ありがとね」

なんてさそんなこと言われたら

蓋をした俺の気持ちが溢れそうになる

いっそ誰かのものになってしまった方が楽なのになんて考えながら

もう一度しっかり蓋をして

「帰ろっか」

声をかける俺を見てAは笑って頷いた

来年の今頃君は誰といるのだろう？

そんなの俺にはわからないけどきっと俺らの関係は変わらないんだ