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なんで？ ページ23
鼻と鼻はくっつきそうなくらい近くて
「近くない？」
呟いた私に
「だって近づいてるもん俺」
なんて笑うのもくすぐったくて
顎に沿えられた手を少しクイっとすると
距離はまた近づいた
「どうすんの？逃げるなら今だよ」
私を見つめながら悪戯っぽく北斗は笑う
ここで逃げないと
どうなるかなんて
想像つくのは
大我のことがあるからで
でも逃げれないのは
逃げないのは
なんでなんだろう
そう自分に問いかけた
唇が触れそうになるくらい近づいた後
北斗は顎にあった手を私の頭にそえて
ギュッと私を抱き締めた
「隙だらけ本当」
北斗の笑った声が聞こえて
少しすると立ち上がった北斗は
私の頭に手を置いて
「ばーか
俺ねこういうの京本とタイプ違うから」
なんて笑うとキッチンに向かったんだ
ただ
きっと逃げれたのに
逃げないのは私の意思で
なんで？
そんなことばっかり
北斗の後ろ姿を見ながら
自分で自分に問いかけた
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作者名：むぅ
| 作成日時：2018年1月27日 18時
