なににお悩み？ 顕嵐side ページ11
「あっ…」
視界に入ったのは先輩達
ぶーぶー後ろで文句言ってるAはまだ気づいてない
最近俺にやたら分かりにくい相談をしてくるから
いっその事全部聞いてやろうと昼休み時間をもらったら
こうもタイミング悪いのか？なんて少し笑える
「いつもどこで食ってんの？」
俺の質問に
「屋上」
そう言ったAの手を引いて
「だよな？」
笑いながら列に並ぶ
Aのナポリタンと俺のカルボナーラを持って
こいつに先輩達が居ると気づかれないように少し離れた席に着く
先輩達を背に座らせて
気付いてないのはこいつだけで
恐らく先輩達は気付いてて
ただ俺がこの状況を少し楽しんでんのは事実
「お金」
なんて言ったAは
「黙って食えば？」
俺の言葉に少し笑うと
「顕嵐ってツンデレが強すぎるよね」
なんて言いながらナポリタンを食べ始める
まあね
あながち間違いじゃねーな
少し食べて
「で？何？
お前は何に今そんなに悩んでるわけ？」
ナポリタンを少し喉に詰まらせてケホケホするAにコップを渡すとゴクンと飲み干して
「いきなりすぎない？噛まずに胃に入った」
なんて大きな口を開けて笑う
可愛くない仕草が可愛く見えるなんて
恋は盲目って言うけど
なんかフィルターかかってんのかな？
こういう奴が1番恐ろしいわ
先輩達も大変だななんて思いながら
「で？姫は何にお悩みですか？」
出来るだけ優しい声で
優しく
こいつのよく言う女の子仕様で聞いてやった
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作者名：むぅ
| 作成日時：2018年1月27日 18時
