ネージュに染まれseason3 (ページ9)

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とりあえず抱きしめたい目黒side ページ9

『無理だねやっぱ出ない』

リビングで呟いた俺の言葉がやけに響くのはきっとみんながあまりにも静かだから

岩「あのさ...ふっかさ用事あるってAが言ってたってのは分かるけどさなんで連れて帰って来なかったの？」

深「...うん、ごめん」

その日の出来事はラウールからわりと聞いていて

ただその日もその次の日も帰ってこないなんて想像はしてなかったんだ

深「翔太のせいじゃないよ」

うんそうだと思うよ

でもさそう言い切れるなら

じゃあなんで帰ってこないの？

『深澤くんなんか知ってるからそう言えるんでしょ？』

真っ直ぐ深澤くんを見つめれば深澤くんは困った顔で頭をかいた

めんどくさい

5日Aに会えないだけでこんなにイライラしてんのに

みんなしてだんまりで

めんどくさいじゃんそんなの

『探す』

上着を手に持って立ち上がれば宮舘くんは冷静に口を開く

宮「どこを探すの？目黒の気持ちもわかるけどさ手当たり次第探したってきっとAは見つからないよ？」

知ってるよそんなの

でも

ラ「帰って来なかったらなんもしてなかったこと後悔するから」

ラウールが立ち上がりながら言った言葉にみんな考えるような顔をして

ラ「...Aはなんも悪くないのに
それなのに償って生きるなんてそんなの」

泣きそうな声を出したラウールに言葉を被せたのは深澤くんで

深「ラウールお前知ってたんだ...
そっか....いや、うんあのさAのお母さんはさ愛人だったんだって....お父さんはさAの中学高校って後輩の子のお父さんで」

え...

眉を下げた深澤くんが次に口を開く前にラウールはすたすたと歩きながらリビングの扉を開けて呟いたんだ

ラ「よくAが電話してる大我くんって人だよそれ」

閉まった扉の音はやっぱりやけに響いてて

ねえ

Aはどんな思いで今まで生きてきた？って

お前が償うなんてそんなのおかしいだろって

俺はお前に言ってやりたくてさ

掌をぎゅっと握りしめたんだ