ネージュに染まれseason3 (ページ43)

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聖なる夜に祈り　ラウールside ページ43

「たっだいまー」

いつもなら聞けば元気の出る佐久間くんの明るい声なのに今日は聞きたくなかったかもしれない

深「お帰り佐久間ご飯食べてきたんだよね？」

佐「ああそうそうっあ！ラウールほらお菓子買ってきたよクリスマスイブだからね」

『あっありがと』

差し出されたクリスマス仕様のお菓子と佐久間くんのにこにこ笑顔

ねえ

なんでそんなふうに笑えるの？

『佐久間くん？』

佐「ん？」

『あの....』

間違えるわけがない紛れもなくさっき見たのは佐久間くんと

一度だけ会ったことのある大我って人だったんだ

佐「なによ？ん？てかAは？」

キョロキョロしながらいつも座る椅子に腰を下ろした佐久間くんはなんだかいつも通りで

それがなんか嫌だったの

渡「帰ってくるなり部屋から出てこねえの」

佐「折角のクリスマスイブなのに？」

深「まあね」

折角のクリスマスイブに佐久間くんはなんで？

なんて言葉を口から出せればいいのにぎゅっと手の平を握ればポケットの中でスマホが揺れた

【さっくんになにも聞いたらだめだよ】

なんで？なんて言葉が口から出ないのはAが血が出るんじゃないかと思うほど唇を噛みながら2人を見つめてたからで

目「ただいま」

めめの声に振り向けば少し大きな袋を待ちながら帰ってきためめが俺の顔を見るなり笑うんだ

目「っは顔ひどいわ、お前
ほらプレゼントやるから部屋来い」

ねえ、めめ

サンタさん気取ってるよね？

もういっそサンタさんになってさAを助けてよ

今俺が欲しいのは

Aが何も考えず笑って過ごせる時間だよ

かっこつけんなよなんて言われてもいいからさ

めめがサンタさんならプレゼント出来るじゃん