神様は残酷 ページ42
『それでいいの?』
「うん!すっごい嬉しいありがとう」
雪の降るクリスマスイブにきらきら光るシルバーヘアを揺らしながら
私の前でにっこり笑う天使にはどれほど貢いでも痛くも痒くもないだろう
『時計とか買っとく?』
「ねぇもういいってほんと自らが逆に要求するサンタなんていないよ?」
『そう?』
「お腹すいたからちょっと甘いの食べようよ」
『いいね』
私の手を取り歩き出そうとしたラウちゃんはすぐに私の前に立ちピタッと足を止めた
『ラウ?』
「.....あっうんやっぱもうちょい見ようかな」
『え?お腹空いたんでしょ?』
「いや、やっぱ空いてないや
ね、A行こう」
くるりと振り返り私の目の前にピタッと向き合うラウちゃんは私の目を真っ直ぐ見つめるけどさ
『ラウどうした?』
手が震えてるんだよ
ラウで視界を遮られてるからなにも見えないからさ少し動こうとした私をすっぽり抱き締めたのは君だった
「動いちゃだめ」
『なにラウどうしたの?』
「お願いA」
震える手でぎゅっと私を抱きしめて震える声を出す君に
きっと私が見たらまずいものがそこにはあるんだと思ったんだよ?
でもさ
想像してるよりもっと辛い現実がそこにはあったんだよ
少し身体をずらして顔を覗かせてた私が馬鹿だったんだよね
『.........え』
「ちょっAってば」
緩んだ君の腕からすり抜けた私の視線の奥には私の知らない世界があった
『........大我とさっくん』
どうして神様は意地悪なんだろう
どうして神様は残酷なんだろう
「Aかえろう、ね、かえろうよ」
私だけじゃなくて
16歳のこんなに可愛い子の顔を歪めてしまう神様を
私はこの日今まで以上に嫌いになったんだよ
最悪なプレゼントをくれた神様をさ
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作者名:むぅ | 作成日時:2019年10月24日 0時