ネージュに染まれseason3 (ページ39)

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真冬の屋上で頬に印をページ39

「さむっ」

雑に開いた扉の音と聞き覚えのある声がして

ゆっくり振り向けば寒そうに笑う蓮がそこに立っていたんだ

ラ「遅くない？」

目「あ？お前ね予定より早く来てるからね俺」

『蓮も来れたんだ』

目「いやそんなくっつくくらい寒いなら中入んなよ」

『あ、ああ、うん』

ラウちゃんをこれでもかとぎゅっと抱きしめていたのは扉が開いたことで身体は離れたものの

それでもピタッとくっつく私たちはきっと側から見たら少しおかしな状態だろう

ラ「なに？嫉妬？」

目「は？」

『え？』

多分今まで聞いた声の中で1番低いであろう声を出し

少し生意気な顔で蓮を見るラウちゃんは間違いなく大人の階段を登ってる

そんな顔見たことないもん

『...ラウ？』

蓮を見つめるラウの名前を呼んでみればラウは視線を私へと移して目を細めて笑って見せた

ラ「うちのクラスホストクラブじゃん？」

『あ、うん』

ラ「俺はAだけってことでいい？」

『ん？』

ラ「大切な俺のことAだけが指名してくれるでしょ？」

そっと髪に指を通しながら少し目を伏せる君の顔はやっぱり初めて見る顔だった

『あ、まあ、うんそうね』

そんな君を見つめながら笑ってみせれば私の頬にそっと触れて私の目を見つめるんだ

ラ「だいすき」

『私もだ..........っラウちゃん？』

頬をおさえながら目をパチパチさせる私はあまりにも間抜けだろうけど

ラ「んーちょっとお昼寝でもしてこようかな
Aはめめと探索してみてよ........なるんだろうね？」

『...あ、うん....え？』

ラ「じゃあまた後でね一緒帰ろうね」

『.....うん』

ゆっくり立ち上がったラウちゃんは私の頭を優しく撫でて背を向ける

蓮の前に立ったラウちゃんは蓮と少しだけ会話すると屋上を出て行ったんだ

高校の屋上のくせにそんな場所に残されたのは

頭をかいて空を見上げ唇を噛んだ蓮と

冷たいくせに君の唇の触れた部分だけが熱を帯びている頬を抑える私だったんだ